京都コンピュータ学院(KCG)創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」(7月2日)を前にKCGグループは2024年6月28日,千葉博人京都情報大学院大学(KCGI)教授・KCG資料館館長の記念講演「京都コンピュータ学院実習機器の歴史をたどる」を,KCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト6階大ホールで実施しました。学生・教職員は,創立以来61年に及ぶKCGのコンピュータ教育を実習に使われた機器という視点で確認し,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された先生のご遺徳を偲びました。この日は,菩提寺である百万遍知恩寺の墓に皆でお参り。記念行事の一環として,学生による模擬店も開催されました。
長谷川繁雄先生は1986年7月2日,享年56歳で逝去され,2024年は没後38年となります。「閑堂」は先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。
記念講演した千葉教授は,「コンピュータの歴史」「コンテンツを利用した商品の企画制作」が専門。KCGIの講義だけでなく,KCGが教育用に使用してきたコンピュータを保存・展示し,2009年に一般社団法人情報処理学会から「分散コンピュータ博物館」に全国第一号認定されたKCG資料館の館長を務めています。また,米国のテレビ番組から始まり,今も新シリーズ映画などが制作される人気SF「スタートレック」の日本語公式ページ運営を行うなど日本のスタートレック関係第一人者で,かつハードウェア・ソフトウェア開発会社の経営者でもあります。
千葉教授は講演で,KCG資料館が「分散コンピュータ博物館」に認定された理由や意義を解説しました。また,KCGが1972年に導入し今も資料館が保存するTOSBAC-3400(東芝製)など,情報処理学会が認定した「情報処理技術遺産」について,「技術の発展を考えるうえで有用な資料になる,日本のコンピュータ史上,非常に大切な役割を果たしたコンピュータ」などと詳しく説明。コンピュータの基礎知識とともにKCGの使用機器を紹介し,KCGが実践してきたコンピュータ教育の歴史をたどりました。そして「約60年の間に演算速度で160万倍もコンピュータの性能は上がった。本学院の実習機もどんどん新しいものに交換されて,今があるということです」と締めくくりました。
墓参は,学生・教職員とも授業などを優先しながら,それぞれ時間を調整して知恩寺を訪れました。学生たちは,墓前で手を合わせ,先生のご冥福とKCGグループのさらなる発展をお祈りしました。
模擬店はKCG京都駅前校1階エントランスで開催しました。ネパールの留学生が同国のモモ(餃子),サモサ(揚げパイ),ラッシー(ヨーグルトと牛乳ベースの飲み物)といった自慢料理を提供。エントランスは,ネパールの学友の手によるごちそうを味わった学生たちの笑顔であふれました。
記念講演等に先立つ6月25日にも,閑堂忌行事の一環として模擬店および留学生出身国の文化などを紹介するイベントが開催されました。この日はウズベキスタン,ミャンマー,ベトナム,スリランカ,ネパール,インドなど各国からの留学生たちが出店。KCG京都駅前校6階大ホールでは大スクリーンに各国の様子が映し出され,舞台で民族衣装姿の留学生が歌やダンスを披露。民族音楽に合わせて学生・教職員が歓声とともに踊り出すなど,グローバルな教育を展開するKCGらしい行事となりました。